ローカルであり情緒である
「文化」とはローカルな特徴であり、情緒的なものである。地域のあらゆる要素が反映されているから、単純にほかの地域にコピーすることはできない。
京都の情緒を東京にコピーすることはできない。京都の情緒は京都でのみ楽しむことができる。旅行・観光とは「文化」を愛で、楽しむことであるとも言える。
欧米人の描く日本人の描写がおかしいのは、それは「文化」を映し出したものではないからである。
文化的なもの
・言葉・言語
・料理
・服装
・建物
・ふるまい
「文化」と「文明」
この2つはよく勘違いされる。人類に普遍的に普及していくものは「文明」であり、「文化」は普遍的に普及しない。
ヨーロッパとアメリカ
・アメリカ人は、映画や音楽など、自国の文化が世界に普及していると思っている。
・ヨーロッパは、ヨーロッパこそが文化の地であると思っている。アメリカのそれは文明であり、アメリカに欠けているのは情緒、つまり文化だと思っている。
元来、文化は大人のもの
「若者文化」などという言葉が出てきたのも、団塊の世代が青少年のころのことである。それまでは若者の風俗が特有の価値を持つものとして、大人から公認されるということはありえなかった。大人の文化だけが「文化」であって、若者は未熟で未完成な「前段階」であり、したがって無価値なものであった。
出典:『父性の復権』林道義(著)
たしかに、歌舞伎や能などの古典芸能やクラシック音楽、オペラなど、味わい深い文化は、大人の文化だ。
編集履歴
・2012.07.27 「元来、文化は大人のもの」
・2012.08.04 初稿