文豪(明治時代)
明治時代の文豪
・坪内逍遥(1859-1935)
・森鴎外(1862-1922)
・二葉亭四迷(1864-1909)
・夏目漱石(1867-1916)
・樋口一葉(1872-1896)
文語体から口語体へ
年齢の上下関係に興味があったので調べてみた。というのは、坪内逍遥、森鴎外、樋口一葉は文語体表記を用いており読みづらい(この中で二葉亭四迷のみ読んでいない)。一方、夏目漱石は現代と同じ口語体表記を用いており、現代人でも違和感なく読める。
調べてみようと思ったのは、この時代の境目がどこにあったのだろうか?という点。森と夏目は5歳違いということが分かった。一方、樋口は夏目より5歳下である。夏目の最初の文学作品『吾輩は猫である』の発表は1905年。つまり樋口一葉が亡くなった後のことである。
作品順に並べてみる
・1887年 『浮雲』二葉亭四迷
・1890年 『舞姫』森鴎外
・1895年 『たけくらべ』樋口一葉
・1905年 『吾輩は猫である』夏目漱石
・1914年 『こころ』夏目漱石
Wikipediaには、「Category:1890年代の小説」や「Category:1900年代の小説」というページがあるのだが、残念ながら、『たけくらべ』と『吾輩は猫である』の間に、めぼしい日本の文学作品が存在しない。
なるほど。
考察:文語体と口語体の境目
1890年代半ば、樋口一葉はたくさんの作品を残している。1890年代を代表する若手女流作家だったわけである。その樋口一葉が1896年、わずか24歳で亡くなると、しばらくの間、文学界では空白期間が生じた。そこで口語体表記でセンセーショナルなデビューを果たしたのが夏目漱石と言うわけである。
ということで、文語体と口語体の境目は、樋口一葉と夏目漱石ということになる。なるほど、この二人が偉大で「紙幣」の肖像画に選ばれたわけである。