ブログを書けば医者は要らない
こういう感じのタイトルの本を書いてみたい。
ちょっと過激すぎるタイトルの気もするけれど、他に良いネーミングが思いつかないし。
内容は、たぶん、もう少しマトモ。
書きたい内容は以下のようなもの
1,患者にブログを書かせる話。
この1年ほど、僕は、自分の患者で、特に慢性疾患を抱えている人について、ブログを書くことを勧めている。
慢性的な病気、たとえば、高血圧だの気管支喘息だのでは、自己管理が非常に大切で、そのためには、日常の記録を付けることが結構大切。
そういうわけで、たとえば、日記を付けるとかすると非常に役に立ったりもする。
もちろん、ただ漫然と日記をつけるのじゃなくて、それぞれの病気ごとに記録して欲しい項目も別々にあるわけで、そういう記録のために、それぞれの病気の記録に特化したノート、たとえば、血圧手帳とか喘息手帳、糖尿病手帳なんてのもあったりする。
僕の経験からすると、うまくいった場合、つまり、記録が長続きした場合、患者は、「こういう行動をすると症状が悪化する」なんてパターンが自分で分かるようになってくる。そうすると、それほど意識しなくても、そういう症状を悪化させる行動を避けるようになっていき、結果、症状が改善される、使用しなくてはならない薬の量なども減らすことが出来る。という方向に進む。ことが多い。
なんだけれど、こういう記録は、案外長続きしない。なんだかんだいって、どうしても三日坊主になりがち。
で、最近、こういう人たちに、ブログを書いたらどう?って勧めている。
案外、これが上手くいっている。
病気で困っている人の多くは、少々年配の方が多いので、始めるのにちょっとした決心が必要なことも多いようなんだけれど、実際に始めてみると案外長く続くことが多いようだ。
実は、この種の[[闘病記>>TOBYO]](?)は、同じ病気に困っている人にとっては、本人が思っているよりずっと興味深いコンテンツであることが多い。少々ブログに不慣れでも、また悪文でも、結構、固定的な読者がつくことが多いのだ。で、読者がつくと記録を続ける励みになる。
大抵の読者は、同じ病気に困っている人なので、「同病相哀れむ」みたいな仲間が出来ることが多くて、そういう「仲間」の反応が楽しくて記録が続くことも多いようだ。
やっぱり、普通の、紙で書く種類の症状の記録が長続きしにくいのは、興味を持ってくれる読者がいないからだと思う。もちろん、月に一度程度、医者にチェックされているんだろうけれど、それだけじゃあ、続ける動機としては弱いのだろうと思う。
2,日記療法、およびその類似療法の話。
- 日記療法
- レコーディングダイエット
3,ブログ療法のメリット
ブログ療法、継続することが容易である以外にも良い効果はあって、それは、ブログ周辺に集まる同じ病気の患者同士で、お互いに、生活習慣などのチェックやアドバイスをしてくれること。こういうことは、普通は、患者の付ける記録を医療従事者が見てアドバイスしているんだけれど、でも、毎度毎度医者や看護師がする程度のアドバイスは、多くの慢性疾患の患者は、いまさら医者に言われなくても分かっていることが多い。分かっちゃいるけれど中々できないってだけのこと。正直、患者同士で励ましあいながらやっているアドバイスには、僕程度の医者がしているアドバイスと比べて遜色ないものも多い。
4,ブログ療法のデメリット
- 記録をつけてもらいたいような病気を持っている人は、少々年齢層が高いことが多くて、そういう人には、ブログを付けるようなことは少しハードルが高いことが多い。
- 攻撃的なコメントがあると、ネットのコミュニケーションに慣れていない人にとっては精神的なダメージが大きすぎて、ブログ閉鎖、生活記録の中止へと進んでしまうことも多い。
- 少々怪しげな民間療法などのセールスがコメント欄に登場することがある。実は、最初のうちは、僕はこの種のセールスに患者がダマされることを心配していて、ブログのコメント欄の自主パトロールをしようかと思っていた。実際にはあまり心配はないようである。現時点で、ネット上で活動している患者コミュニティは、すでに充分に層が厚くなっていて(「プチ専門家」みたいな人が、コミュニティの中に一定数存在しているようだ)、そういう怪しげなセールスをフィルタリングする程度のことは出来ているように見える。
- アタリマエのことだが、普通のブログサービスは、病気の症状の記録に特化しているわけではないので、喘息手帳だの血圧手帳だのの記録に比べて、過去の記録が漫然とした文章の中に埋まりがちである。この種の記録を残しやすいブログサービスやブログパーツがあればいいんだけれど。
5,これから始めるときのアドバイス
- ブログは匿名で書いたほうが良い。
実名で書いては、書く内容に差し障りが出てくることがあります。また、妙に攻撃的なコメントが付いたときの精神的なダメージを軽減するためにも、匿名で書いた方が良いと思います。また、症状の記録という点からは、何を食べたか、体重がいくつだったかなど、人によっては実名では書きにくい話も正直に記録することが必要になります。「名前は隠してもいいから、その分、正直に書く」が重要と思います。
- ブログ開設をリアルな知人に知らせる前に熟考しましょう。
上と同じ理由です。
- かかっている医療機関の名前や、自分の住んでいる街の名前などは、少しぼかして曖昧に書く。
6,治療に良い機能を持っているブログサービス
- 攻撃的なコメントを避けるためには、ある程度コメントできる人が制限できる方が良い。mixiの日記やアメブロは、その点で望ましい。ただ、既に、mixiにアカウントを持っている人の場合、可能ならば別アカウントをとったほうが良い。
- mixiのようなSNSは、いわゆる「外部リンク」を制限できる点で、うれしいかもしれない。外からの「直リンク」は、ウェブに慣れている世代にとってはアタリマエのことなんだけれど、ウェブに慣れていない人には、自分の見たこともない、よそのページで、自分の書いた記事についてリンク付きでアレコレ書かれているってのは、ちょっと怖いことらしい。たとえ、それが好意的なコメントであっても。この問題、「ネットのヘビーユーザー」と、「直リンクお断り派」の間のトラブルは、昔からよくあったことなんだけれど、「病気の記録をする人たち」の周囲でこれが起こると、モチベーションを下げる原因になることが多い。個人的には、それぞれのエントリに外部からの直リンクを張れないように設定できるブログサービスがあってもいいと思うんだけれど。。。
- 文字を綺麗に出せるとか、そういう機能は大して必要じゃない。もっと、機能を削った、わかりやすさ重視のサービスが必要と思う。要するに、ブログ界の「らくらくホン」ね。この点については、多くのブログサービスが過剰に機能がありすぎ、分りやすさに欠けると思う。
- 病気の症状の記録に特化したブログ機能やブログパーツは、現時点では、存在しないように思われる。これは、非常に大切な事だと思っているので、僕自身で開発中(「done list」参照)。
7,疾患別、おすすめのブログの書き方
疾患別に、ブログに最低限書いてほしいこと、続いている人の書き方、など、書きたいなと思っている。
でも、正直難しい。
疾患別で、最低限書いてほしいことは、簡単にかけるんだけれど、そういう最小限のブログじゃなくて、病気とは関係ないことも色々書いてあるほうが、長続きするようだし。
履歴
- 第 10 版medicalcloud2011-05-17 19:43:53
- 第 9 版medicalcloud2011-05-17 19:35:07
- 第 8 版medicalcloud2011-01-06 09:31:56
- 第 7 版medicalcloud2011-01-06 09:30:24
- 第 6 版medicalcloud2011-01-05 12:30:35
- 第 5 版medicalcloud2011-01-05 08:02:58
- 第 4 版medicalcloud2011-01-05 07:05:56
- 第 3 版medicalcloud2011-01-05 07:02:04
- 第 2 版medicalcloud2011-01-04 21:16:04
- 第 1 版medicalcloud2010-10-03 18:39:36
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コメント
本当は、「要らない」わけではないので、ちょっと大げさなタイトルなんですね。。病院側からみると、ここで言っているような話は、「病院ができることの一部を代替する」だけにすぎない、とも言えるので。。
いろいろやってみて、ネットのコミュニティの得意な分野は、リアルな病院が得意な分野と違う気がします。たぶん、それぞれ目的の違う別のシステムとして共存していくんだろうと思います。
キャッチーなセンテンスというのはいささか暴力的ですよね。
ブログ療法はすごい良いと思います!
他の人の「ブログを書けば医者は要らない」
- えりおの「ブログを書けば医者は要らない」えりおのブック私は以前mixi日記にスポットで病状記のようなものを書いておりました。 おもしろいもので日毎に情報の受取方、吐き出し方が違うことに気がつきました。 これだけで自…2011-02-21
「ブログを書けば"病院"は要らない」とかでしょうか。
あんまり変わらないですね…w