ディズニー社が嫌がっているのは、過重労働の日本人にしかできないような「おもてなし」による成功モデルは、非常にコストがかかるし、そういうサービスは他の国で再現できないからなのだ。オリエンタルランドが過重労働の日本人にしかできない「おもてなし」をがんばって儲けてくれるよりも、日本で成功したサービスを、自堕落な中国人やフランス人でも再現出来て、どの国で同じサービスを再現して儲けられる方が、ディズニー社としてはずっと収益が上がるのだ。 ディズニー社としては、「おもてなし」で客を呼ぶんじゃなくて、「コンテンツ」で呼びたいのだ。つまり、気持ちいい温泉宿で美味しいものを食べるみたいな「おもてなし」に期待した客が来るんじゃなくて、そこにいけば、映画のセットそっくりの宇宙船から降りてくるダースベーダーを見れるから客が集まるみたいな方法で客を呼びたいの。 「おもてなし」中心のリゾートだと、つねに運営コストがかかるのに対して、「コンテンツ」中心のリゾートだと、版権管理さえしておけば、必要に応じて運営のコストを下げて収益率を上げることもできるし、海外展開も容易になる。 それはそれで正しいロジックなんだけれど、ややこしいことに、一番売上が上がっているのは日本の「おもてなし」で、だから、米側は、自分たちのロジックを強く主張できないらしいね。
関西大学総合情報学部2007年卒。 卒業後「非同期」「主観事典」をテーマにした会社設立。パンデイロやvimなどの打楽器が好き。 Backbone.js 千利休 木村蒹葭堂