脅威化する新興国
英米仏史観による新興国の脅威。
1870年から1914年まで
ドイツ
1871年にドイツが統一されてから1914年の第一次世界大戦まで。ビスマルク引退後(1890年後)、西洋諸国の調整役がいなくなり、ドイツの脅威をしずめる者がいくなり、第一次世界大戦が勃発した。
ロシア
ドイツと並びイギリスの脅威だったが、1902年日本と日英同盟を結び、日露戦争で日本が勝利したことにより、ロシアの脅威は一旦取り除かれる。近代以降、ロシアに勝利した唯一の国が日本である。イギリスもフランスもアメリカもロシアに戦争で勝利したことはない。ロシア人は日本人に対して畏怖の念を抱いているかもしれない。
1905年から1941年まで
日本
1905年日露戦争勝利により、急速に西洋列強にとって日本の存在感が高まった。1918年ドイツが敗戦すると、日本は世界第三位の戦力を誇る国となり、英米の脅威となった。アメリカは国際連盟勧誘を名目に日英同盟を破棄させた(一方、アメリカは国際連盟に加入しなかった)。イギリスの後ろ盾を失った日本は、アメリカの仮想敵国となった。武力で負けたというよりも、それ以前に情報戦争(インテリジェンス戦争)で負けた感が強い。1905年を起点にすれば、それは36年にも及ぶ情報戦争だった。
現在
中国
2010年、GDP世界第二位となった。中国を成長市場の機会と見るか新たなる脅威と見るか。尖閣諸島問題・中国人ノーベル平和賞受賞(10月8日)により、中国=脅威という見方が急速に広がっている。
ドイツ、日本の歩んだ先例を踏まえると、英米は情報戦争を仕掛けてくる可能性が高い。いやすでに仕掛け終えているかもしれない。英米が中国がアメリカと対等の国になることを、一体許すのだろうか?しかし、熱い戦争にするわけにはいかないし、アメリカもイラク戦争やアフガニスタンの二の舞にするわけにはいかない。ありとあらゆる手段(チベットやウイグルからのゆさぶり等)で内部崩壊誘発を狙うだろう。