コンスタンティヌス大帝
コンスタンティヌス1世。
ローマ皇帝(在位306~337年)。
帝国を再統一し、キリスト教を公認し、専制君主制を発展させた。経済発展よりも社会の安定を志向し、経済ではなく宗教で市民を幸福にしようとした古代ローマでは珍しいタイプの政治家。当時の他のローマの政治家は、もっと合理的で物質的な経済を優先する考え方が主流だった様に思うが。
「最初のビザンツ皇帝」とも、「最初の中世人」とも言われる。
「光り輝く十字架を見る」などの奇妙な神秘体験を語ったり、キリスト教の教義決定に介入するなど政治家としては過度に宗教的な言動が目立つ。この皇帝にだけ見える「天使」が彼をコンスタンチノープルまで導いたという逸話があるが本当だろうか。
イメージ戦略と宗教的パフォーマンスに卓越しており、同時にそこそこ優秀な経営者でもあったと思う。たぶん、現在であれば、政治家でなく、ショービジネスの世界にいたようなタイプの人。僕の頭の中では、マイケル・ジャクソンと近いタイプの人という認識。
一方、農民が生まれた土地を離れることを制限するなど、良くも悪くも中世社会を先取りした、経済成長よりも社会の安定を志向した政策を行った。こういう政策が支持を集めたのは、社会が不安定であったこともそうだろうが、当時のローマ社会が、そもそも経済成長が見込めなくなってきていたこともあったろうと思われる。
背教者ユリアヌスの妻の父親でもある。