東京は世界の最先端都市
「百万人都市」で述べているとおり、2000年のスケールで歴史を俯瞰すると都市への人口の集中度が文明の発展をもたらしたのは明らかである。文明の発展は都市人口に比例する。であれば、東京は文明の世界最先端にいることになる。
都市圏人口ランキング
Wikipediaの
世界の都市圏人口の順位によると、2005年現在、すべての統計手法で東京が世界最大の人口を抱える都市圏である。その都市圏人口は3100万人~3700万人である。
東京において日本国の定義ともっとも近いDemographiaを参照して、世界トップ10を以下に示す。
1位 34,400,000 東京
2位 20,280,000 ニューヨーク
3位 20,010,000 ソウル
4位 19,880,000 ジャカルタ
5位 19,360,000 ムンバイ
6位 19,140,000 サンパウロ
7位 18,430,000 メキシコシティ
8位 17,640,000 デリー
9位 17,270,000 大阪=神戸
10位 17,080,000 マニラ
見てのとおり、中南米が2つ、北米が1つ以外、全てアジアである。参考までに、日本のほかの都市、中国・ヨーロッパ主要4カ国の最大都市を示す。
14位 14,250,000 上海(Wikipediaの上海のページでは19,213,200)
22位 10,660,000 パリ
24位 9,250,000 名古屋
27位 8,320,000 ロンドン
36位 7,250,000 独エッセン(ルール地方)
68位 4,150,000 ミラノ
147位 2,250,000 福岡
各国の一人当たり平均GDPから類推していも、東京がダントツ世界ナンバーワンである可能性が高い。
では、東京とニューヨーク、他のアジア諸国と何が違うのか、見てみる。
東京が世界一を誇る文化
食文化
食文化もまた都市人口・都市GDPに比例するという仮説が成り立つ。世界クラスのレストランの数が一番多い都市が東京であるというのも頷ける。
また、800円~1000円前後でおいしい食事にありつける店の数も恐らく世界一である。その数が半端なく圧倒的に多い。というのはどこの駅で降りても、ランチに困ることがない。
自身の経験上、日本で1000円程度の食事は、日本以外の国ではそれ以上の相場が普通である。欧米諸国、新興国、限らずである。
シンガポールでもドイツでも、まともなランチは、だいたい1500円以上する。
もっとも、シンガポールでは、庶民のランチは200-300円である。ここで言いたいのは、800円~1000円で、ふつうにおいしい食事にはありつけない!ということである。ありつくには1500円以上払わねばならない。
オタク
これも東京の象徴である。アニメ、俳優、鉄道など。中国のSNSを見ていると、かなり多くの大学生が日本のアニメを好きな番組としてあげてるし、好きな俳優として日本人をあげている。
都市の「オタク度」は文明成熟度のバロメータである。アイコンに鉄道写真を載せていると、Facebookや中国のSNSで、新興国の鉄オタが引き寄せられてくる(笑)
かわいいもの
ハローキティやいろんなキャラクターグッズ。
ギャル
これも東京の象徴である。いまや世界からギャルが渋谷109に買い物に来る。2009年の東京ガールズコレクションは、パリコレのデザイナーも視察に来たほどである。ファッションは、パリやミラノではなく、東京が最先端に躍り出た可能性がある。
軽薄短小デート(とりあえずデート)
「携帯電話」と後述の「充実した公共交通機関」がもたらした日本人のデートのあり方。
参照:「携帯電話」
人口以外の3つの条件
人口集中以外に、文化が咲き乱れる条件があと三つある。
生活水準
明日の食事に困らないということ。残念ながら、アジア諸国の大都市は、日本のように「生活が困らない」というレベルに至っている人の割合がまだまだ少ない。
その中でいち早く生活水準を上げた都市が韓国ソウルである。事実、BOA、ヨンさま、チェジウ、東方神起など、すでに韓国アーティスト・俳優は、日本で大人気である。
アーティストのみならず、韓国のオタク・かわいいもの・ギャルも、日本に上陸する可能性すらある。
そして2010年、日本のGDPを追い越す中国。まもなく、中国発のアーティスト・俳優も、続々日本に上陸するはずである。
平和
「平和」参照(あとで書く)
充実した公共交通機関
これが実は欧米の都市との決定的な差である。日本では、中高生が通学途中に渋谷や秋葉原に寄って買い物をする。お金がなくても、とりあえずぶらぶら立ち寄り、「かわいいもの」を物色できる。中高生が通学途中に買い物なんてことは、欧米では起こりえない。
アメリカ映画の通学シーンを思い浮かべてもらえると分かるが、アメリカでは通学はスクールバスかマイカーである。16歳以上になると、男の子は大人になった証として、父親に車を買ってもらえるのである。電車通勤など、ありえないのである。
オタクもかわいいもギャルも、電車で行けるから買えるのであって、国民が電車に乗らない国では、これら文化は花開かないのである。
まとめ
文明が世界最先端になる条件は、次の4つである。
・都市への人口集中
・生活に困らない水準
・平和
・充実した公共交通機関
改訂履歴
・2010.04.07 「軽薄短小デート」追加
・2010.03.19 初稿