そしてある日、その物質たちが、突然自力で振動を始めた。その振動は、それまで宇宙に存在しなかった新しい振動だった。「生命」の誕生である。生命は地熱や太陽のエネルギーを使って「生物的振動」を行った。しかしそれは、物理的振動にくらべて水の泡のように、あまりにもはかなく、すぐに消えてしまう「不安定な振動」であった。もしこのときの生命に意思というものがあったら、「この振動を止めてなるものか」と思ったであろう。それは生物的振動を続けていこうとする力、つまり「生命力」というものであった。
関西大学総合情報学部2007年卒。 卒業後「非同期」「主観事典」をテーマにした会社設立。パンデイロやvimなどの打楽器が好き。 Backbone.js 千利休 木村蒹葭堂