本書における「影響力」とは、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性を指す。人はこれらの影響力によって無意識に影響を受け、時に判断を誤らす。これら影響力は人種・民族を問わず見られ、また動物にも見られるのではなく、人間が発達させた大脳新皮質で知覚されるのではなく、大脳辺縁系あるいは脳幹などの原始脳で無意識のうちに認識されているものと思われる。小動物にも見られるということは、情報処理能力が不十分な小さな脳でも状況を理解し処理できるように進化し身につけてきた能力と言える。
本書はたくさんの実証研究の結果を示している。いずれの場合も「影響力」を過小評価しており、実際には無意識のうちに多大なる影響を受けている。ほとんどのケースでは、この影響力は有効に作用するが、悪意のある者が用いるケースもある。悪意に対処する方法も、本書では述べている。
6つの影響力
・返報性(ギブ・アンド・テーク、互恵:Reciprocity
・コミットメントと一貫性:Commitment and Consistency
・社会的証明:Social proof
・好意:Liking
・権威:Authority
・希少性:Scarcity
Wikipediaの
説得のページに、6つの影響力の説明がある。
パワーの源泉
社会心理学者ジョン・フレンチとバートラム・ラーベンによる。
・強制力
・報酬力
・正当権力
・専門力
・同一視力