孫武
紀元前535年 - 不詳。中国春秋時代の武将・軍事思想家。兵法書「孫子」の著者。
孙子
目次
计篇 第一
作战篇第二
谋攻篇第三
形篇 第四
势篇 第五
虚实篇第六
军争篇第七
九变篇第八
行军篇第九
地形篇第十
九地篇第十一
火攻篇第十二
用间篇第十三
原文/漢文訓読
以下、有名なフレーズを原文と漢文訓読で表す。
计篇 第一
原文
一曰道,二曰天,三曰地,四曰将,五曰法
漢文訓読
一に曰わく道、二に曰わく天、三に曰わく地、四に曰わく将,五に曰いわく法。
谋攻篇第三
「戦わずして人の兵を屈する」の原文
是故百战百胜,非善之善者也
不战而屈人之兵,善之善者也。
漢文訓読
是の故に百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。
戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり。
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「百戦して殆うからず」の原文
知己知彼,百战不殆
不知彼而知己,一胜一负
不知彼,不知己,每战必殆。
漢文訓読
彼れを知り己れを知れば、百戦して殆うからず。
彼れを知らずして己れを知れば、一勝一負す。
彼れを知らず己れを知らざれば、戦う毎に必ず殆うし。
形篇 第四
「まず勝ちて後に戦う」の原文
是故胜兵先胜而后求战,败兵先战而后求胜。
漢文訓読
是の故に勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。
军争篇第七
風林火山の原文
其疾如风
其徐如林
侵掠如火
不动如山
难知如阴
动如雷震
漢文訓読
其の疾きことは風の如く、
其の徐(しずか)なることは林の如く、
侵掠することは火の如く、
動かざることは山の如く、
知り難きことは陰の如く、
動くことは雷の震うが如し。
九地篇第十一
九地とは
孫子曰 用兵之法
有散地 有轻地 有争地
有交地 有衢地 有重地
有圮地 有围地 有死地
漢文訓読
孫子曰く、用兵の法には、
散地あり、軽地あり、争地あり
交地あり、衢地あり、重地あり
圮地あり、囲地あり、死地あり
意味
散地:自分の国土の中で戦う。戦ってはならない。
軽地:敵の土地に入ってまだ遠くない。ぐずぐず止まってはならない。
争地:先に奪ったほうが有利な地。先に奪えなければ攻撃してはならない。
交地:往来のしやすい地。隊列を切り離してはならない。
衢地:天下万民の支援も得られる地。諸侯たちと外交を結ぶ。
重地:敵の土地に深く入り込んでいる。食糧を得るために掠奪する。
圮地:山林や沼沢など軍を進めるのが難しい。ぐずぐずせずに通り過ぎる。
囲地:せまい道。奇謀をめぐらす。
死地:力のかぎり戦わねば滅亡する。激戦すべし。
用间篇第十三
原文
故用间有五:
有因间,有内间,有反间,有死间,有生间。
五间俱起,莫知其道,是谓神纪,人君之宝也。
漢文訓読
故に間を用うるに五あり。
郷間あり。内間あり。反間あり。死間あり。生間あり。
五間倶に起こって其の知ること莫(な)し、是を神起と謂う。人君の宝なり。
意味
郷間:村里の間諜
内間:敵方からの内通の間諜
反間:こちらのために働く敵の間諜
死間:死ぬ間諜
生間:生きて帰る間諜
五とおりの間諜がともに活動していてその働きぶりが人に知られないというのが、神紀すなわちすぐれた用い方といわれることで、人君の珍重すべきことである。
外部リンク
・立命館大学 「魏武帝註孫子」原文
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/cl/kot...
・孙子 百度百科
http://baike.baidu.com/view/9832.htm
・孙子兵法 百度百科
http://baike.baidu.com/view/9679.htm
編集履歴
・2013.07.12 第七、第十一、第十三の原文/漢文訓読を追記。
・2013.07.08 第一、第三、第四の原文/漢文訓読を追記。
・2010.09.15 初稿