オーストリア
第一次世界大戦までは、ハプスブルグ家による帝国・他民族国家であり、フランスやドイツと並ぶヨーロッパ大陸の大国であった。大戦末期の1918年、ハンガリーやチェコスロバキアは独立し、帝国は崩壊、国土は激減し、共和制に移行した。帝国末期には、人口5000万人を擁し、多数の文化人、学者、思想家を輩出した。文化的に成熟していたと言えよう。
帝国末期の文化人・学者・思想家
・ヨーゼフ・シュンペーター(1883-1950)・・経済学者、イノベーションの提唱者
・カール・ポランニー(1886-1964)・・経済学者、経済人類学創設者
・エルヴィン・シュレーディンガー(1887-1961)・・物理学者、量子力学、波動方程式、ノーベル物理学賞受賞。波動方程式発表と同時期にドイツ人・ハイゼンベルグが不確定性原理を提唱した。
・マイケル・ポランニー(1891-1976)・・物理化学者であり後に社会科学者に転向、暗黙知という言葉の生みの親
・フリードリヒ・フォン・ハイエク(1899-1992)・・経済学者、リバタリアン(自由主義者)、ノーベル経済学賞受賞
・ピーター・ドラッカー(1909-2005)・・社会生態学者
これらの文化人・学者・思想家の人々が同一時代の同一国人だったというのは、驚きである。
イノベーション、暗黙知、不確実性、複雑系、自由主義など、これらの源流を辿っていくと、すべてオーストリアに行き着く。
偶然なのか、それとも彼らは交流があったのか?ピーター・ドラッカーの自伝「私の履歴書」によると、シュレーディンガーを除く全員は交流があったことが分かっている。
訪問記録
2006年
・ウィーン(4泊6日)