要旨
各分野に2010年問題と呼ばれているものがあるけれど、医薬品業界においては、2010年前後に大型医薬品の特許が一斉に切れ、各医薬メーカーの収益に重大な影響をもたらすと懸念されている問題のこと。
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詳細
医薬品開発(新薬開発)ってのは、パッケージソフトウェアの開発なんかと似ていて、開発に相当の時間がかかる反面、一旦開発に成功すると、特許の有効な期間、継続して大きな利益を得つづけることができるビジネスである。
そこで、開発会社が存続し続けるためには、ひとつのクスリの開発に成功した後、そのクスリが特許料収益を上げ続けている間に別のクスリを開発する、そのサイクルを回し続ける必要がある。
ところが、多くの製薬会社は1990年代以降、大きな利益を挙げられるクスリを開発できず、結果、大きな利益をあげているクスリは大部分が2010年頃に特許切れとなる。そのため、以後、製薬会社は新薬開発を続けられなくなるのではないかと懸念されている。
原因
なぜ、製薬会社が新薬開発ができなくなったのかについては諸説あるが、僕は、十分大きな市場のあるクスリは開発され尽くしたのではないかと疑っている。これについては、
新薬の作られない世界というエントリを書いたことがある。