インドの「今」を的確に切り抜いた書籍。
評価:★★★★★(5段階)
著者:中島 岳志
価格:438円(税抜き)
単行本: 268ページ
出版社:新潮社
言語:日本語
ISBN-10:4101365717
ISBN-13:978-4101365718
発売日:2008/12/20
商品の寸法:15.2 x 10.8 x 1.2 cm
感想:
政治的、宗教的な切り口でインドの今に迫るインド経済本。
日本人がイメージする記号としての「幻想的なインド」「神秘的なインド」「貧富の差が激しいインド」などでは無く、「今」インドで起きていることを的確に切り抜き、かつ読み易く構成されている。
インド本における分類として「紀行本」「経済本」と大きく分けられているが、この本は「経済本」というカテゴライズをもっと深く掘り下げた書籍で、起きている「事実」の「裏側」や「実情」まで記載されていて非常に興味深く読める。
例えばカースト制度を取り上げる場合も、その歴史や背景はもちろん、実際その影響がどのように影響し発展、インド文化として定着しているか政治的側面・生活的側面と多岐に渉り詳細に書かれている。
しかも読み易く、である。
著者の主張、特に政教一体型のインド政治に対する警鐘などは随所に書かれているが、それもあくまでも「著者のいち主張」としてうまく納められており、鼻につかない。
うまい具合に自分の中で「ひとつの価値観・解析」として取り入れることが出来る。
ITや自由化による外資参入ばかり切り抜いた経済本に食傷気味な人にとてもお勧めしたい。
固いテーマを読み易く書ける著者にリスペクト!5★。
関連Link:
【この記事はBlogから引用です】
【九龍空論】
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【当該記事】
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