歴史を振り返れば、「怒り」の効用を説いたのは、かのアドルフ・ヒットラーだった。
「民衆はどんな時代でも、敵に対する容赦のない攻撃を加えることの中に自分の正義の証明を見出し、逆に他者の絶滅を断念することは、たとえそれを自分が正しくないことの証拠と感じはしないにしても、自分の正義についての不確実さと感じとる」(『わが闘争』アドルフ・ヒットラー著 角川文庫)
正しいから怒るのではなく、怒っていると自分が正しいと思えてくるのである。一方、まわりの人も、怒っている人を見ていると「怒るのも無理はない」と感化されるようになる。怒りは自らを正当化する。これを心理学用語で「激情神話」という。怒っていればみんな正しくなれる、という幻想なのである。
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