Ras
基本
・単量体GTPアーゼ
・Rasスーパーファミリーに含まれるファミリーの一つ
・シグナルを中継する。
・Ras-GEF(グアニン交換因子)
→GDPの解離と、それに続く細胞質からのGTPの取り込みを促進し、Rasを活性化する。
・Ras-GAP(GTPase-activating protein)
→Rasに結合したGTPの加水分解速度を上げてRasを不活性化する。
構造
・脂質が一つ以上共有結合している。
・Rasタンパクが機能する膜の細胞質側に脂質によって固定されている。
機能
・細胞質で働くものが多い。
・細胞の他の部分へシグナルを中継する。
・RTKが核にシグナルを伝達して細胞増殖や分化を促進するときなど、遺伝子発現の変化に対応して必要とされることが多い。
がんとの関係
・ヒトのがんの約30%にはRasの活性亢進型の変異がみられ、これはがん細胞の異常増殖と関わっている。Rasにこの変異が起こると、GAPによるGTPase活性促進が起こりにくくなる。
Rasファミリー
・H-Ras,K-Ras,N-Ras
→RTK(受容体チロシンキナーゼ)からのシグナルを中継
・Rep1
→cAMP依存GEF(グアニン交換因子)により活性化。インテグリンを活性化して細胞接着に影響する。