引き当て
引き当てというのは、存在している在庫の予約をする事を指す。
例えばWebでパソコンを買うとき、注文をするとまず在庫がどこにあるのかを見に行き、在庫があればパソコンを一台「引き当て」る。
「引き当て」は「注文」とはまた違う概念で、どの場所にある何という倉庫のどのロット番号の、という詳しい在庫状態とセットになっている。また、「引き当て済み」の在庫は、重複引き当てすることはできない。
一見なんてことはない処理のように思えるが、これが大変なのである。
まず、注文者の情報をもとに、どの倉庫から出荷するのがいいかを考慮するロジックが必要になる。また、引き当てが失敗したとき、注文そのものを失敗させるか、代替品を引き当てる必要がある。そうすると、代替品を選んでくるロジックも必要になる。
また、製品が10個で1パックになっていたりすると、1個注文が入ると1パックをばらして1個引き当てる必要がある(バラ品、パック品などと言ったりする)。そうすると9個注文があるとバラ品をかき集めて別ロットの品物が混在したりすることがあるが、これがお客さんによってNGだったりする。
また、引き当てをする際に既に客に納品した同製品よりも「製造年月日が古い」製品を引き当ててはいけない、などというロジックも要求されたりする。
引き当て処理は、在庫管理はもとより納期回答や生産計画にもからんでくるためこれの巧拙が企業の競争力に響いてくる。
「引き当て」は文房具屋さんから鉄鋼業まで広く業務システムで用いられる業務システムの最重要概念だと思うのだが、なぜかこういうのは大学では研究されないし教えてもくれないのだ。